私は、友人のアメリカ人が主催する英会話教室で、 小学生のクラスをお手伝いしたことがあります。 6月だったので、4月から入った小学2〜4年生たちが慣れた様子で教室に入ってきて、ネイティブの先生に ハローと挨拶していました。
その日は、Can I have some water?(お水をもらえますか?)というフレーズの勉強でした。 ホワイトボードに文を書き、コップのお水を用意して、みんなで楽しく練習しました。 Can I have 〜? (私は持てますか=もらえますか?)は何かが欲しいときに使える便利表現なので、実践的でいいレッスンだなと思って見ていました。ところが、ここで私の一つ目のショックがありました。
低学年の子たちが Can I をわずか2学年の差がこんな形で現れるのかと、私はショックでした。 2年生の子供たちが無邪気にそっくりに真似しているのに、 4年生の子供たちにはそれが難しいのです。 きっと、ホワイトボードの単語が気になったり、お友達の視線が気になったり、 すでに持っている知識が邪魔をしたりして、 目の前で発音している先生の音だけに集中することができなくなっているのかもしれませんね。
一週間後、また教室に同じメンバーが集まりました。そして、ここで私は二つ目のショックを受けることになります。
先生は、レッスンの最初で「ここにおいしいお水がありますよ〜」と言いました。
みんなに先週覚えた「お水をもらえますか」のフレーズを言ってほしいのです。
ところが・・・、
Can I have some water? のフレーズを覚えていた子は、
なんと一人もいませんでした。1週間前にあんなに練習したのに、みんなすっかり忘れてしまっていたのです。
おうちで、パパやママが少しでも英語の語りかけをやっているご家庭では、 Can I have some water? は基本中の基本、2歳の子でも3歳の子でも、こんな英語は朝めし前です。 それが、週に一度の英会話教室では、こんな簡単なフレーズ一つを定着させるのに 貴重なレッスン時間の多く(とたくさんのお金)を使わなくてはならないのです。
その時の私が考えたことは、この一週間の中で、たった30秒でもいいので、 もし子供たちが Can I have some water? というフレーズをおうちでも一回か二回、聞く機会や言う機会があったら・・・。 そうしたら今週はもうバッチリ覚えていただろうな、ということでした。 とてももったいなく思えました。私が見たのはある英会話教室のある小学生クラスだけなので、 これが小学生のクラス全般に当てはまるとは思いません。しかし、 小学生の英語には、幼児期の英語とはまるで違う難しさがあるということはわかりました。
あなたが親で、お子さんに英語力をと考えているなら、 どんな英語力をつけてほしいのかをちょっと考えてみるべきかもしれません。 なぜなら、何をやるかによって、何ができるようになるかは変わるからです。
「クラスルームイングリッシュ」という言葉がありますが、
いつも教室で英語を習っていると、教室の中で使われる英語を聞き取ったり、先生の質問に答えるのが得意になります。
同じように、英語のワークをやっている子はワークが得意になり、
ずっと本を読んでいる子は読解が得意になります。
そして、ここが怖いところなのですが、基本、やっていないことはなかなかできるようになりません。
要は、何十時間、何百時間も英語のDVDを見ていても、タブレットで学んでいても、ワークをやっていても、英語を話す練習をしなければ話せるようにはならないのです。
ワークをたくさんやった結果は私たちはよく知っているのではないでしょうか。真面目な日本の学生は 何年もかけて学校でたくさんのワークをやってきました。その結果、世界で最も英語が話せない国の一つとなっています。 この10年は英語の映像を見て育ったお子さんも増えましたが、一部の徹底的にやったお子さんを除いては、英語は話せないままです。 だから、日常英会話が目標なのに子供にワークをやらせたり、DVDを見せている親御さんを見ると、かなり遠回りなことをしていると思ってしまいます。
もし日常英会話をマスターしてほしいと考えるのであれば、日常英会話を聞き、話す練習をすればいいんです。 そこがわかっていれば、英語のアプトプットまでにインプットが1000時間、5000時間必要などということはなく、 小学生のお子さんなら、おうちで親が英語を使い始めれば、最初のアウトプットが始まるまでわずか5分で十分です。
例えば、「おやつ食べる?」は Do you want a snack? (ドゥユワナ スナック?)です。お子さんに説明し、それから毎日使います。 最初はわからなくても、お子さんは3日目にはわかるようになります。そして、イエスやノーなどの返答はおそらく4日目にはできるようになるでしょう。 この部分だけ見れば、「ドゥユワナ スナック?」 というのに2秒かかるとして、それが4日なので 8秒です。8秒のインプットで、イエスノーのアウトプットがもう始まるのです。 さらに毎日使っていけば、30秒ほどのところで、お子さん自身もこの英語を自分で言えるようになっています。
ですから、教材や教室、オンラインレッスンなど、何を始めても始めなくてもいいのですが、
絶対にすべきなのは、親御さんも一緒になって生活の中に英語をプラスすることです。
お金と時間がもったいないと思うのであれば、是非とも自分も一緒にやってみることを考えてください。
想像するほど大変なことではなく、誰でもできるので、これだけは強くお勧めします。
小学生と親の日常会話をそのまま英語に!
英語フレーズ集の決定版
『親子の会話、英語ならこうなる』
まず、何でもいいのでこのような日常英会話のCDを用意します。
そして、最初の二カ月はとにかく毎日必ずかけ流します。車の中やご飯の準備をしている間など、とにかくBGMのように流しっぱなしにします。 「ちゃんと聞きなさい」なんて絶対に言ってはいけません。しっかり聞かないほうがむしろいいです。お子さんの吸収力は我々とはケタ違いなので、お子さんは少し流しておくだけでもかなり覚えてしまいます。
親御さんのほうは、これは使えそうだという文をピックアップし、「ごはんできたよ」や「手を洗ってね」などの簡単な文を英語で言うようにします。 「ごはんできたよ」は「ディナーズ レディー」、「手を洗ってね」は「ワッショー ヘーンズ」です。毎日何食わぬ顏で英語をプラスしていきます。
あえてすごくわかりやすく説明すると、
・ごはんできたよ
・手を洗ってね
・そろそろ寝る時間だよ
・宿題やった?
・おなかすいた?
このような文を毎日20センテンス、お子さんに言い続けることができたら、それだけで英語教室に一年通ったお子さんに英語力で勝つと思います。
絵本を利用することもお勧めです。 読みなさいと言って子供に渡すのではなく、やはり親御さんも隣に座って、あるいは寝転んで、一緒に楽しむことをお勧めします。
最初は親御さんが読んであげましょう。発音は心配しなくても大丈夫です。今の子供たちは多くの英語に触れて育ちますから、パパさんママさんの発音が移って 一生治らないなんていう 心配は無用です。そんな小さなことより、たくさんの絵本を読んで楽しい時間を共有することのほうがよほど大事です。
何度か読んであげていると、そのうちお子さんが覚えてしまいます。そうしたら今度はお子さんに読んでもらいましょう。 声に出すのでアウトプットのいい練習になります。この繰り返しが英会話上達にもつながっていきます。 決して「ちゃんと読んで」や「そこ間違ってる」などと言ってはいけません。楽しい絵本タイムを共有しているという気持ちを忘れないでください。
弊社では英語を話せるようになることを目的に制作した英語絵本セットを販売しています。 フリガナや解説があるので、英語が苦手なパパさんママさんでもお子さんに読んであげられます。 24冊セットの中に小学生のうちに押さえておきたい英語の要素がすべて盛り込まれています。
(ハウワズ スクール トゥデイ)
今日学校どうだった?
※school には the も your もつけないでね!
(ディヂュー ハヴ ファン)
楽しかった?
※fun にも a とか the とかつけちゃだめよ。
(レッツ イート)
さあ食べよう
※こんなさり気ない表現からおうち英会話に挑戦してみてね。
解説を読みたい方、もっとおすすめフレーズを知りたい方は、
小学生向け おすすめフレーズ・ベスト10のページへ
「嬉しい誤算」
5歳の娘と1歳3カ月の息子がいます。 「英語で子育て」の本を春先に購入し、 語りかけをできる範囲で行ってきました。 このサイトも参考にしたり、英語絵本の多読なども始めて半年が経ちました。
私自身は全く話せませんし、はじめのころは“学校英語に拒否反応を起こさない程度に聞きなれてほしい” “英語=勉強と構える前に少しでも自然に覚えておいてくれたら” というぐらいでした。 それが今では“もしかしたら、本当に英語を話せるようになるのでは”と 希望を抱かせてくれるくらいの成長ぶりです。 本当にみるみる間に、娘が英語を話し始めました。 嬉しい誤算で、いつもCDを流していたら、娘も覚え初め、弟に対して“good boy”等と言い始めたのです。
最近は簡単なレベルですがに応用をしはじめ、
Say good-bye to me! (これも突然、幼稚園へ行く前に弟に)
Put your shoes away nicely. (弟に)
I can’t eat it.
と言ってみたり。
私ではニュアンスがあっているのかわからずフォローできないのですが、
なんとなくOKだろうと聞きながしています。
息子にしても、Take off your shoes.(くつを脱いで)、Let's take a bath!(お風呂に入ろう)など 毎日言っている言葉は、英語のほうがむしろよく通じるようです。
「英語で子育て」の本&CDの同時通訳方式(和英順)がうちにはすごくよくて、 かけ流しでだけでも、家事をしながらでも聞けますし、耳だけ澄ましていれば自然と入ってきますしね。 だからこそ娘でも丸ごと覚えていくことができているんだと思います。
“Thank you”と言いながらお辞儀し、“Let's eat.” と手を合わる純日本人的なわが子たちですが・・・。(^^;) 子どもたちの様子を見ていると、“このままがんばっていってみよう”という母としての私のモチベーションのアップになります。 これからもよろしくお願いします。